東京地方裁判所 昭和45年(借チ)2077号・昭45年(借チ)2104号 決定
〔主文〕1、賃借人は、賃貸人らに対し、別紙目録(一)記載の建物及び同目録(二)記載の土地賃借権を譲渡せよ。譲渡の対価を金三七八万円とする。
2 賃借人は、賃貸人らに対し、前項の譲渡対価の支払を受けるのと引き換えに、別紙目録記載の建物を明け渡し、かつ、同建物につき所有権移転登記手続をせよ。
3 賃貸人らは、貸借人に対し、第二項の建物明渡義務及び所有権移転登記義務の履行と引き換えに、第一項の譲渡対価の支払をせよ。
〔理由〕(甲事件の申立の要旨)
1 賃借人は、賃貸人らから、別紙目録(二)2記載の土地(以下本件土地という)を同目録(二)345記載の条件で賃借中にして、同地上に同目録(一)記載の建物(以下本件建物という)を所有し、現に同建物に居任している。
2 賃借人は、本件建物及び本件土地賃借権を高地久光に譲渡したいが、土地賃借権の譲渡を賃貸人らは承諾しない。
(決定理由)
1 本件の資料によると、甲事件の申立の要旨として掲げた右1の事実が認められるので、甲事件の申立は、適法である。
2 よつて、賃貸人らの申立に基づき、賃借人に対し、本件建物及び本件土地賃借権を賃貸人らに譲渡することを命ずる。右譲渡の対価につき、鑑定委員会は、賃貸人が借地権を譲り受ける場合の借地権の対価は第三者が譲渡を受ける場合の対価(借地権価格)の八〇%が相当であるとし、これに建物の価格を加えたものをもつて本件の譲渡対価であるとするが、賃貸人が借地上の建物及び借地権を譲り受ける場合の対価は建物の価格と借地権の第三者に対する譲渡価格との合算額から借地権譲渡の際賃貸人に支払うべき承諾料を差し引いたものとするのが一般であるので、本件の譲渡対価も右一般の例に従うのが相当である。鑑定委員会の意見は、本件建物の価格を四〇万円、本件借地権を第三者に譲渡する場合の対価を三七五万四、四〇〇円、借地権譲渡承諾料を右借地権譲渡対価の一〇%とするので、各評価については右意見に従うこととし、本件譲受の対価を二七八万円(万円未満四捨五入)と定め、右対価の支払義務と建物明渡義務及び建物所有権移転登記義務とを同時履行とするのを相当とする。(小山俊彦)
目録
(一) 建物
東京都大田区中央四丁目一〇三九番地
家屋番号一〇三九番五
木造瓦葺平家建居宅床面積33.05平方米
(二) 土地賃借権
1 当事者
賃貸人 臼田武次、臼田くら、宮川初江、梅沢美津子
賃借人小野アイ
2 借地権の目的たる土地
東京都大田区中央四丁目一〇三九番
宅地1,276.36平方米のうち77.19平方米(二三坪三合五勺)
3 使用目的
非堅固建物所有
4 残存期間
昭和五一年二月三一日まで
5 現在の地代
一ヶ月九一八円